2014/05/31
Gotch / Can't Be Forever Young
only in dreams (ODCP-006)
member :
Gotch : Vocals, Guitar, Harmonica, Synthesizer, Glockenspiel Turntable, Percussion, Programming, etc.
guest :
Atsushi Horie (Straightener)
Ryosuke Shimomura (the chef cooks me)
Yosuke Inoue (Turntable Films)
TORA (8otto) etc.
“ロキノン系”という言葉が生まれたのが何時ごろなのか僕はよくわからないけれど、2000年代中盤に中高時代を過ごした僕にとってはアジカン、エルレ、バンプ、ゴイステ、シャカラビ.....というラインナップが一番“ロキノン系”たるバンドとしてリアリティをもっている。
その中アジカンの僕のイメージは徹底した日本語詞、小難しくないシンプルなバンドサウンド、Weezerが大好き、「リライトしてぇぇぇ!」といったところで、そのバンドサウンドが大好きでよく聴いていた。中でも『ワールドワールドワールド』(2008)は僕の人生においてもベストに入りうるようなアルバムとして自信をもってあげられる。
そのアジカンことASIAN KUNG-FU GENERATIONのボーカル、後藤正文のソロ名義Gotchのファーストフルアルバムが今作『Can't Be Forever Young』だ。
後藤個人としての活動といって浮かぶのは、音楽の活動よりもむしろ東日本大震災以降のフリーペーパー「Future Times」の発行を含む社会的・政治的な活動だと思う。
twitterで散々叩かれながらも原発への抗議活動・都知事選・風営法への意見を堂々と発表する彼は現実世界から目を背けて夢や空想や希望を歌う日本のバンドシーンでは稀有な存在だが、むしろそんな状況のほうがロックという音楽の歴史からすると特殊なのかもしれない。
しかし今作には二年前のアジカン名義でのアルバム『ランドマーク』に見られたような政治色や反抗といった気概はは一切見られなかったから意外だった。
リラックスしたムードで淡々と日常をつづる日記のような作品で、威圧しない低い音圧のサンプリングやターンテーブルのスクラッチ音にのったふわふわした日本語詞が心地よい。
低い声でのラップやファルセットでのウィスパー気味のボーカルなどバンドではあまり見せないスタイルのボーカルが見られるのも面白い。
僕としては一聴してどうしてもBeckの影響を感じずにはいられない。
アジカンのライブでも「Loser」の日本語カバーを披露していたが、このアルバムはさも日本盤『Midnight Vultures』といった雰囲気で、気張らずというかそれを通り越して気の抜けた様なサウンドスケープとボーカルを届けてくれる。
ただしアルバムの中でストレイテナーのボーカル、ホリエアツシが参加した楽曲だけは「明らかにここだけ違う人が作っただろ!」ってくらいホリエアツシのソロ名義entのサウンドになっていて、急に最近のエレクトロニカのような広がりのあるサウンドになっているのもまた一興。
ちなみに今作のミックスはTortoiseやThe Sea and Cakeで知られ、Broken Social SceneやYo La Tengoなどのレコーディングにもたずさわるポスト・ロック、エレクトロニカの重鎮John McEntire。
さらにマスタリング・エンジニアはStevie Wonder、Paul McCartney、Beck、Red Hot Chili Peppers、Nirvanaなど数えきれないほどのマスタリングを行ったStephen Marcussenという超豪華メンバーに支えられていることも記しておきたい。
長々と書いたけれど最近の日本のバンドにはあんまりない感じで僕はこれすごく好きです。
申し訳ないけどほぼ同時期に出たBeckの『Morning Phase』より聴いてるかな。まぁBeckの今作は初期のようなサンプリングポップというよりもアコースティック志向だったのだけれど。
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