2014/09/11

9/8 『Jazz The New Chapter 2』 DOMMUNEまとめ




9/8に行われた『Jazz The New Chapter 2』(以下JNTC2)発売記念DOMMUNEのまとめです。
前回同様動画たくさんで重いのでPC推奨で。

関連リンク
4/17 『Jazz The New Chapter』DOMMUNE まとめ(前回のDOMMUNE)
「Jazz The New Chapter 2」発売記念SPECIAL!!~ジャズ新世代の躍動 #DOMMUNE http://togetter.com/li/717002 







まずは前作『Jazz The New Chapter』から大きなテーマになっているピアニストRobert Glasperと彼のバンドRobert Glasper ExperimentのSummer Sonic 2014のライブ映像からスタート。
放送で流れていたのは90年代グランジ・ロックの代表者Nirvanaの"Smells Like Teen Spirit"のカバーの部分です。


そして次はピアニストJason Moran。いわゆる真面目なジャズをやっていた彼がベーシストでありボーカリスト、かつ最近はプロデュースも少々というMeshell Ndegeocelloを迎えて発表した新作から。


Ain't Misbehavin' from Team Thomas on Vimeo.

新曲、といってもこれはJason Moranが敬愛する1930年代のストライドピアノやラグタイムで活躍したピアニストFats Wallerの作品であって、ここが繋がってるあたりが面白いですね。

またこのJason MoranのアレンジはRobert Glasper周辺人脈のボーカリストChris Turnerがかつて発表した『The Monk Tape』(Band Canpで聴けます)のアレンジと近いものがあり、柳樂さん曰く「これは知り合いの曲をRemixしたりするDJ文化的な感覚があるのではないか。」と。

また「プロデューサー、人脈の中心としてのMeshell Ndegeocelloが下の世代に与えている影響は大きい」との言及もありました。


次にかかったのがベナン共和国出身のギタリストLionel Louekeのアルバム『Heritage』(2012. Blue Note)より"African Ship"。
このアルバムはRobert Glasperをプロデューサーに迎え、ドラムに前回のDOMMUNEでも注目されていたMark Guiliana、ベースにRobert Glasper ExperimentのDerrick Hodgeという強力なメンツ。
今回も注目はMark Guilianaの人力テクノとも言うべき超絶ドラミングで、このアルバムでも「アフロビート+テクノ」的なドラミングを見せていました。

次にかかったのがそのMark Guilianaの自身のバンドBeat Musicでのドラムソロ。



Mark Guilianaはもうすぐ新譜もでますね。その新譜からも掛かったんですがアルバムのティーザーがこれ。



柳樂さんは「スクエアプッシャーとかエフィックスツインはジャズからこういうビートを持ちだしてテクノを作ったけど、今ジャズマンがそれをもう一回人力でジャズに取り戻している」とコメント。


次はジャズ×インディー・ロックという文脈に入って、まずSufjan Stevensのアルバム『The Age of Adz』(2010)から"Too Much"。



次にこの曲をジャズドラマーKendrick Scottが自身のバンドOracleでカバーしたものがこちら。



Terence BlanchardやKurt Rosenwinkel Trioなどにも参加していたKendrick Scottの様にトラディショナルなジャズも出来るドラマーがこういうことをしているのが面白いですね。
「この曲のようにテクノ寄り、電子音楽寄りのものを人力でカバーするというのは世界的な流行なんじゃないかな?」という言及も。


次は90年代から2000年代初頭にポストロックなどを生み出したシカゴ音響派の話に。
TortoiseのギタリストJeff ParkerがBrian Bladeのバンドにいた事や、Rob MazurekのChicago Undergroundなど当時のポスト・ロック、電子音楽の最先端にジャズの影響があったという話でした(JeffとRobは『JNTC2』にインタビュー掲載)。

そしてかかったのがそこの一派の大ボスとも言えるサックスAnthony Braxtonのソロ動画。



ここでの吉田さんの「ジャズの人で見た目をそんなに気にする人はいないけど、アンソニーはアルバムのジャケットもいま見てもかっこいいし、このサックスソロもステージの照明などがバッチリ決めてあって、そういう感覚は珍しいと思う。」という指摘は面白いと思いました。

そして話はAntony Braxtonの弟子の話に。

まずあがったのはアメリカのインディー・ロックバンド、Dirty ProjectorsのベースNat Baldwinと彼のソロアルバム。



次が女性ジャズギタリストMary Halvorson。彼女はLounge Lizardsにも参加ししていたギタリストMarc Ribotともやっていて、今年のフジロックにも来てました。





そしてその次が女性ボーカリストのBecca Stevens
Taylor Eigsti『Daylight at Midnight』(2010)、Esperanza Spalding『Radio Music Society』(2012)、Jose James『While You Were Sleeping』(2014)とJNTCが取り上げてきたミュージシャンのアルバムにも多く参加し、同じく女性ボーカルのGretchen ParlatoRebecca Martinと共に"Tillery"というユニットも組んでいる彼女。
彼女の音楽はジャズとブルーグラス、カントリーのミックスという点だけでなく今日的なジャズボーカルのありかたとしても興味深いものです。
『JNTC2』では高橋健太郎さんが彼女の出自・音楽について4ページにわたって解説しています。

そのBecca Stevensの新作『Perfect Animal』はイギリス・バーミンガム出身の伝説的ブルースギタリスト、Steve Winwoodの"Higher Love"、2012年に大ヒット作『Channel Orange』を出したFrank Oceanの"Thinkin Bout You"、Usherの"You Make Me Wanna"など幅広いカバー曲も披露しています。





その次に掛かったのがジャズ意外からも熱烈な支持を得るDJ、Flying Lotusの新譜。
『JNTC2』では彼のインタビューと共に彼のレーベル・Brain Feederの特集も組まれています。




そしてFlying Lotusがインタビューで「製作中はGeorge Dukeを聴いていた。」ということで70年代フュージョンのピアニストGeorge Dukeの『The Aura Will Prevail』(1975)から一曲。
聴いてみるとたしかにFlying LotusはGeorge Dukeっぽい.....




そしてFlying Lotusをピアノ・トリオでカバーした、インド系のピアニストVijay Iyer
ECMからもアルバムを出した彼はM-Base出身です。





そしてジャズっぽくないのが続いたので『JNTC2』でも特集されているヨーロッパの名門レーベルECMから2曲。
「ECMは高尚なイメージが着いているけど、実際はヨーロッパの片田舎で頑固なおっさんがやってるレーベルなんだよね。その高尚で敷居が高いイメージを何とかしたかった。」というような論旨だったと思います。
偶然かは分からないけどこの日かかったのがNik Bartsch's Ronin(浪人)とColin Vallon Trioの"Juuichi(11)"というのはなんだか面白い。(Nik Bartschのは正直かかったのがこれか自信ないです)







そして最後は来日も決まっているBrain Feederの新人、Taylor McFerrin
映像はジャズドラマーMarcus Gilmoreとのライブ映像です。
これについては当ブログにライブレポートがあるのでそちらもあわせてごらんください。→BRAIN FEEDER 4のライブレポート




後半雑になってしまったけどこんな感じです!

0 件のコメント:

コメントを投稿