今回はビブラフォン奏者ゲイリー・バートン(Gary Burton)と彼と共演したギタリスト特集。
ちなみに彼、ゲイです。(本当)
ちなみに彼自身のデビューのきっかけもカントリー・ギタリストHank Garlandとの共演から。
Gary Burtonは1943年生まれなのでこの時まだ17歳ですね。
このあとバークリー音楽院に通うことになったGary Burtonですが、このあとRCAレコードとの専属契約を結びます。その紹介をしたのがなんとカントリーギターの大御所Chet Atkins。
その後1962年からピアニストGeorge Shearingのグループに在籍した彼の初リーダー作は1961年の"New Vibe Man In Town"しかしここにはギタリストは登場せず。
彼のリーダー作に初めてギタリストが登場するのは1963年作"Something's Coming!"(RCA)となります。
ここに参加しているのは大御所Jim Hall。当時32歳のJim Hallは前年にBill Evansと"Undercurrent"、"Interplay"、"Loose Blues"を録音していたまさに絶頂期と言っていいでしょう。
アルバムではスタンダードに加えてJimのオリジナル曲Carefulも演奏しています。
ここに参加していたベーシストChuck Israelsの紹介で1964年からはStan Getzのバンドに在籍。
そこで出会ったSteve Swallow、Roy HaynesにギタリストLarry Coryellを加えて組んだバンドはジャズ・ロックの人気グループになりました。
Jim Hallに比べるとチョーキングや音階の跳躍具合などロック色というか派手目なLarry Coryellとはこの後"Duster"(1967)、"Lofty Fake Anagram"(1967)、"A Genuine Tong Funeral"(1967)、"Gary Burton Quartet in Concert"(1968)と立て続けにリリースを重ねます。(いずれもRCA)
その後1970年にAtlanticに移籍、Stephane Grappelli、Keith Jarrettらと録音を残してから1972年、ドイツのECMに移籍します。
そこで彼が発掘した新人ギタリストが今やバークリーの先生として教則本などでも有名なMick Goodlick。Mick GoodlickはGary Burtonの1973年盤"The New Quartet"(ECM)がデビュー盤となります。
今では空間系ギタリストのボス感ただよう彼ですが当時はジャズ・ロック的な要素が強いですね。
Mick Goodlickは結構お気に入りだったようでその後アルバム4枚ほどレコーディングしています。
その翌年にレコーディングされた"Matchbook"(ECM)はMick Goodlickと同じフィールドで語られることの多いギタリストRalph TownerとのDuo作。
同じく1975年にレコーディングされた"Dreams So Real"(ECM)でMick Goodlickと共に起用されたのが当時20歳そこらのPat Metheny。
今や大御所大スターPat MethenyもキャリアのスタートはGary Burtonのバンドとなります。
Pat Methenyとはこの後ECMを離れた後もレコーディングを重ねています。
この後Gary Burtonはいまいち若手で抱えられそうなギタリストがいなかったのかはわかりませんが
"Times Like These"(1988, GRP)でJohn Scofield、
"Cool Nights"(1991, GRP)でWolfgang Muthspiel、
"It's Another Day"(1994, GRP)でChuck Loeb、
"For Hamp, Red, Bags, and Cal"(2001, Concord)でRussell Malone、
とアルバムごとにギタリストをとっかえひっかえします。(それにしてもいちいち豪華だ)
極めつけは1992年の"Six Pack"(GRP)で、ここではB.B. King、John Scofield、Kurt Rosenwinkel、Kevin Eubanks、Ralph Towner、Jim Hallと大御所から若手までギタリストばかりを集めた企画アルバム的なものを作るほどに。
そして2003年"Generations"(Concord)でついにそんなGary Burtonの心のスキマを埋める若手ギタリストが現れます。
それがJulian Lage。
Gary BurtonのJulian Lage熱は結構凄まじく、これまでにアルバム4枚をリリース。これは既にLarry CoryellやPat Methenyとも並びうる数。そしてNPRのTiny Desk ConcertではDuoで出演しています。
こうして現在まで並べてみるとカントリーギタリストのサイドマンからキャリアをスタートしたGary Burtonのバンドのギタリストは、Jim Hallからはじまってジャズ・ロック的なギタリスト、空間系ギタリストを経て、今再びインタビューで「足元にはチューナーぐらいしか置かないよ」(エフェクターは使わないよ)という様なカントリー・スタイルのギタリストに回帰しているようにも見えます。
ちなみに僕がこの記事を書いたのはPaul Motianバンド出身のギタリストは注目されてるけどGary Burtonはそうでもないなって思ったからでした。
それにしてもモチアンバンドのギタリストと見事に被ってないのがすごい。
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