春だからスウィングしてるジャズを聴きたい。
Jazz the New Chapterにはおそらく載らなかったであろう1990~2000年代ストレートアヘッド系のアルバムを紹介していく企画をやろうかなってことで最初は二枚くらい。ぼくがスウィング系でよく聴くやつを。
Lewis Nash Quintet / The Highest Mountain
member :
Jeremy Pelt(Tp, Flh)
Jimmy Greene(Ts, Ss)
Renee Rosnes(P)
Peter Washington(B)
Lewis Nash(Ds)
Rec :
September 16-18, 2011, at Cory Weeds' Cellar Jazz Club, Vancouver B.C.
(Cellar Live Records CL091811)
二管のストレートアヘッドなジャズが聴きたい時は真っ先にこれです。
ドラマーとして名は通っているけれどぱっとしたリーダー作が無かったLewis Nashが2012年に出した久しぶりのリーダー作。しかもライブ盤でメンバーはフロントにJeremy PeltとJimmy Greene、ベースにPeter Washingtonという明らかにハズれない二管ハードバップバンド。
やってる曲も渋くて、ボビー・ハッチャーソンの"Teddy" 、ジョー・ヘンダーソンの"From Here to a Star"、オーネット・コールマンの"Blues Connotation"、モンクの"Eronel"など9曲。メンバーのオリジナルはロスネスの一曲のみ。
小技も大技も含めてLewis Nashのドラミングが最高です。コンビ歴の長いPeter Washingtonとのコンビネーションも抜群。
僕がこれに飽きないのはピアノのRenee Rosnesのバッキングが古臭くないからかなって気がします。
ただフロントが「もっと吹けるだろ!」ってツッコみたくなる時が時折あるのとベースの録音があんまりよくないのはマイナスポイント。
Joel Frahm / Live at Smalls
member :
Joel Frahm(Ts)
Kurt Rosenwinkel(G)
Joe Martin(B)
Otis Brown III(Ds)
Rec :
Fabruary 28 & March 1, 2011, Live at Smalls Jazz Club, NY
(Smalls Live SL0023)
ベテランサックス奏者の2011年ライブ盤。Joel Frahmはベテランだけど日本ではまだそんなに知名度が無いと思う。Omer Avitalのバンドで吹いていたりBrad MehldauとDuoのアルバムをだしていたりもするんだけれど。
こっちはJoel Frahm曲が5曲にストレイホーンの"Chelsea Bridge"、パーカーの"Steeplechase"で全7曲。
ベースのJoe Martinはギタリストとよく演っている印象。Gilad Hekselmanのトリオでもおなじみ。
Otis Brown IIIはJoe Lovano Us5の印象が一番あるかな。
しかしなんといってもこのアルバムのキモはKurt Rosenwinkelだと思うよ。
一曲目からミディアムテンポのブルース。
このバンドの面白さがすごくつまっているんだけど、それはベースもドラムもすごく自由なことなんだよね。今回ストレートアヘッドスウィング系って企画なんだけど、このバック陣はいわゆるオーソドックスなスウィング感をつくりながらもバックでたくさん駆け引きをしていて僕としてはそこが一番の聴きどころかな。これはGilad Hekselmanのライブでも感じたことだけれどJoe Martinは綺麗に音を抜いたり足したりするのがすごく上手い。
Kurt Rosenwinkelは最近の自身のリーダーアルバムでは聴けないようなジャズの常套句的なフレーズを織り込みながらも、歪みを踏んだりオルガンのような音色をつかったりとかなり自由です。
Joel Frahm自身はというと、サックスのおいしいところをすごくわかっていてそれこそ結構常套句的なこともすごくするんだけどやっぱりMichael Brecker以降のサックス奏者って感じがする。
Joel Frahmのオリジナルはフリーっぽい曲があったり8ビート調の曲があったり多彩なんだけどぼくとしては一曲目のブルースとSteeplechaseが一番おもしろいです。
まじめにどジャズの曲を演奏するKurt Rosenwinkelが聴ける最近ではレアなアルバム。
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